非上場株式の魅力〜次世代の成長へのアクセス

非上場株式は、公開市場で自由に取引されることは無い市場の中、これらはプライベート企業が持つ貴重な資産であり、賢明な投資家たちはこの領域に新たな機会を見出しています。では、非上場株式の魅力とはいったい何なのか、ご紹介していきたいと思います。

 

非上場株式取引のメリット・デメリット

目次

非上場株式を取引することによるメリットは以下の4つが挙げられます。

 

 

1.高利益の可能性

 

スタートアップなどの成長企業への投資は、事業が成功した場合に大きなリターンをもたらす可能性があります。

 

 

2.柔軟な運営規制

 

規制や公開義務が無く、企業運営の柔軟性を高めます。

 

 

3.情報漏洩のリスク低減

 

公開企業に比べて情報が限られているため、情報漏洩のリスクが低いです。

 

 

4.長期的経営視点

 

短期的な市場の変動から影響を受けにくい経営が可能です。

 

◇上場株式は、事業の安定性や経営の健全性など、収益性が高いと評価される企業です。その価値は市場によって客観的に評価されます。

 

◇一方、非上場株式式は株式市場に上場していないため、その価値を決定する客観的な指標がなく、価値評価は困難になることがありますが、市場に影響されることはありません。

 

 

一方、非上場株式を取引することによるデメリットは以下の4つが挙げられます

 

 

1.取引の困難さ

 

非公開であるため、売買の機会が限られています。

 

 

2.情報の不透明性

 

上場企業と比べて情報公開が少なく、投資判断に苦労します。

 

 

3.資金調達の選択肢の限定

 

資金調達方法が限られており、時には資金繰りに課題を抱えることもあります。

 

 

4.財務リスク

 

成功すれば高利益、失敗すれば大損になりやすいのが非上場株式です。

 

この種の投資は、スタートアップや成長途上の企業に対する高い利益潜在力を秘めていますが、一方で情報の非透明性や取引の難しさといったリスクも伴います。

 

次世代に注目される非上場株式

1.テクノロジー部門

 

イノベーション、いわゆる新しいアイデアに焦点を当てたデジタルトランスフォーメーション(DX)、人工知能(AI)、ロボティクス(ロボット工学)、バイオテクノロジー(生物工学)、持続可能なエネルギー解決策などがあります。

 

 

2.スタートアップ企業への包括的な支援機関部門

 

資金調達だけでなく、戦略的アドバイス、ネットワーキングの機会提供などがあります。

 

 

3.グローバル市場への展開をサポート

 

♢国内外の市場にアクセスし、グローバルな視野を持つ投資先を選定します。

 

♢スタートアップ企業を支援する側も、スタートアップ企業という事が多く見られます。新しい物事は、同じ位置に立つ者同士が理解していなければ、投資に中々結びつかないものです。

 

非上場株式に投資するその前に

 

非上場株式に投資する前に準備するものがあります。

 

 

1.直接企業を調査する〜デューデリジェンス~

 

目標とする業界や企業に対して専門家の調査研究、いわばデューデリジェンスを行い、投資可能性があると思われる未上場企業を特定します。

 

〈デューデリジェンスで精査する内容〉

 

投資判断の際、投資対象となる企業やプロジェクトのリスクを理解し、投資の価値を判断します。

 

企業の財務状況

成長性業界内での位置づけ

経営陣の実績

法的な問題

運営状況 等

 

 

2.デリューデリジェンスでキャッシュフローを分析

 

〜キャッシュフロー分析〜

 

キャッシュフローとは、一定期間内における企業や個人の現金の流入と流出のことです。この概念は財務分析において重要であり、企業の健全性や資金繰りの状態を把握する上で欠かせない指標となっています。

 

♢営業におけるキャッシュフロー

 

企業の主要な事業活動から生じる現金の流れです。営業活動の運営が現金ベースでどの程度効率的であるか、将来の現金需要を満たす能力があるかどうかを評価する上で不可欠です。

 

♢投資活動によるキャッシュフロー

 

企業が資産を購入または売却することによって生じる現金の流れです。これには設備投資、不動産の購入や売却、または他社株式の取得や売却などが含まれます。

 

♢金融活動によるキャッシュフロー

 

企業が資金を調達または返済することによって生じる現金の流れです。株式発行による資金調達、借入金の返済、配当支払いなどがこれに該当します。

 

 

〈今後の投資傾向を予想〉

 

〜環境、社会、ガバナンス(ESG)投資の台頭〜

 

消費者や投資家の間でESGへの関心が高まっているため、ESG基準を重視する企業への資金流入が増加しているので、ESGに配慮した未上場企業は、資金調達を行いやすくなる可能性があります。

 

それに伴い未上場企業も持続可能な事業モデルへの転換を迫られています。これは近い将来、高い利益をもたらす可能性がある重要な変化です。

 

 

3.リスク管理も可能

 

ESG基準を重視することで、環境的リスク、社会的リスク、ガバナンスの欠如といった潜在的な問題を事前に特定し、リスクを管理することが可能です。

例)環境に配慮した事業運営を行う企業は、将来的に環境規制の強化による影響を受けにくい!

 

 

4.覗いてみよう!プライベートエクイティ(市場)

 

公開市場に上場していない非上場株式式企業への直接投資をプライベートエクイティ(市場)で取引します。これにより、投資家は成長企業の早期段階から参画し、高いリターンを目指すことが可能です。

 

 

5.プライベートエクイティ業界のデジタル促進

 

COVID-19パンデミックは、多くの企業にデジタル化の必要性を認識させました。テクノロジー駆動型のスタートアップや、デジタル変革を遂げようとする未上場企業への投資が加速しています。

 

現在投資家の注目は、次の6〜8に集まっています。

 

 

6.AI(人間の考えに近い人工知能)

 

 

 

7.ビッグデータ(分析により経済的価値を生み、あらゆる形式で増加する大量のデータ)

 

 

 

8.ブロックチェーン(取引記録を残せる分散型の台帳)

 

 

 

9.プライマリーマーケット(一次市場)

 

新たに発行される証券が投資家に初めて販売される市場です。一次市場で資金を調達した企業や政府は、その資金を事業の拡大やプロジェクトの資金として使用します。

 

 

10.セカンダリーマーケット(二次市場)

 

株や債券を売買できる言わば魔法の場所で、投資家に自由と流動性を提供し、価格の公平さを守ります。

 

 

〜セカンダリーマーケットの成長〜

 

非上場株式式のセカンダリーマーケットは、プライベートエクイティ界で人気が高まっており、投資家にとって未上場企業の株式を柔軟に取引する新たな機会を提供しています。これは非上場株へのアクセスと流動性を向上させ、魅力的な投資先として注目されています。

 

スタートアップへの大型投資

 

1.ユニコーン企業とは「評価額10億ドル以上・創業10年以内・未上場のテクノロジー企業」のことを呼ぶ造語です。

 

 

ユニコーン企業への投資は、革新的なビジネスで市場を変える可能性があり、投資家に大きなリターンを提供するプライベートエクイティの重要な機会です。

 

 

2.直接企業家を応援

 

業界イベント、ビジネスフォーラム、イベント、起業家や投資家向けのミートアップに参加して、関連する企業やその代表者との関係を築きます。

 

 

3.投資交渉

 

投資条件について締結する前に、すべての条件と投資金額、株式の割合、経営参加の度合いなど細部について合意に達する必要があります。

 

【M&A(企業買収)】

主に中小企業の後継者不在の問題など、非上場株式式の譲渡で近年増加しているのが、M&A(企業買収)です。そのニーズは増えており、株式譲渡が選択されることが多くなっています。

 

 

買収価格の決定方法】

 

買取価格は企業の業種や規模などにより各方法で分析します。分析結果をもとに膝を詰め、話し合いをします。

 

■DCF法 DCF法(Discounted Cash Flow method、割引現金流量法)は将来得られる予想現金流量を割引率で現在価値に変換し、それによって企業やプロジェクトの価値を評価する方法です。割引率はリスクを考慮して設定されます。

 

■PER法 PER法(株価収益率)は、株価が企業の1株当たり純利益(EPS)の何倍であるかを示す指標で、株価が利益に対して割安か割高かを判断するために使います。PERが高い場合は株価が割高、低い場合は割安と見なされます。
■EBITDA法 EBITDAは税引前営業利益に減価償却費を加えた指標で、特に資本集約型産業の分析に有効です。ただし、実際のキャッシュフローを過大評価する可能性があるため、他の財務指標と組み合わせて使うことで、よりバランスの取れた分析が可能になります。
■倍率法 倍率法は、不動産評価や投資物件の価値を評価するために用いられる方法の一つです。この方法は、特定の収益性指標を基にして物件の価値を算出します。

 

 

倍率法は、主にこの2つです。

 

■収益還元法 不動産や企業の価値評価に用いられる手法の一つで、将来得られると予想される収益(利益や賃貸収入など)を現在価値に還元し算出する方法です。
■価格比較法 価格比較法は、類似の不動産や企業が市場でどのような価格で取引されているかを見て、評価対象の価値を決める方法です。最近の売買事例を基にして、似ている特性を持つ物件や企業の価格を比較・分析します。

 

 

 

 

【いざ!未上場企業を買い取る!】

 

非上場株式を買う手法を幾つかご紹介します。

 

 

1.株式取引で直接的なアプローチ

 

未上場企業の株式取引は、直接オーナーや株主から株を買う方法で、企業との直接交渉あるのみです。ただし、評価額の交渉は難しく、事前のデューデリジェンスで企業価値の正確な評価が必須です。

 

 

2.株式交換で、戦略的な計画

 

株式交換は、自社株式とターゲット企業の株式を交換することで、事実上の買収を行う方法です。この手法は主に企業間で見られ、特に業界内での相乗効果(シナジー)を生み出すことが期待される場合に採用されます。

 

 

3.株式移転は複雑ながらも魅力ある手法

 

株式移転は、株式の所有権を新たな法人に移すことで、間接的に企業のコントロールを得る方法です。この手法は複雑な法的手続きを伴いますが、税務上の利点、経営権の移行を実現する場合に有効です。

 

 

【買収の手続き】

 

買収意思の伝達をし、デューデリジェンスで企業調査をして、契約書を作成、お互いに契約書を交わして株式の移転手続き、税金の手続きなどをして終了となります。

 

【プラットフォーム】

 

未上場企業の評価や投資機会を見つけるための仮想的または物理的なスペース、プラットフォームには、以下のようなものがあります。これらのプラットフォームは、投資家が未上場企業に関する情報を収集し、投資判断を下すための重要なリソースとなり得ます。

 

 

AngelList https://www.angellist.com/ スタートアップ企業への投資機会を提供するプラットフォームで、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルが利用しています。スタートアップのプロファイル、資金調達履歴、創業者情報などが掲載されています。
Crunchbase https://www.crunchbase.com/ スタートアップや未上場企業のデータベースとして広く利用されており、企業の資金調達履歴、業界分析、重要なニュースなどが提供されます。
PitchBook https://pitchbook.com/ プライベート市場のデータ、分析、総合情報を提供するプラットフォームで、特にプライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、M&Aに焦点を当てています。
EquityZen https://equityzen.com/ 未上場企業の株式を既存の株主から購入することができるプラットフォームです。

 

FUNDINNO https://fundinno.com/ 日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスで、一般の投資家がスタートアップ企業に直接投資できるプラットフォームです。

     

 

 

 

■戦略的適合の評価

 

買収対象の企業が自社のビジネス戦略や長期的な目標にどのように適合するかを評価することが重要です。買収後のシナジー(相乗)効果を最大限に活用するためには、事業の相互補完性や統合後の効率化の可能性を慎重に分析する必要があります。

 

  • 収益シナジー

販路拡大やブランド力向上などにより、売上が増加する効果

 

  • コストシナジー

組織合理化や共同仕入れなどにより、コストが削減される効

 

  • 事業シナジー

技術やノウハウの共有により、新製品開発や生産性向上などが可能になる効果

 

  • 税金シナジー

繰越欠損金やのれんなどにより、節税効果が得られる効果

 

 

【驚きの手法と面白い話題で溢れる世界】

 

非上場株式の取引の世界には、夢のあるサクセスストーリーが満載です。

 

 

《ByteDance》

 

ByteDanceは2020年にユニコーン超えの、企業価値1兆円以上のメガコーンと呼ばれるほど注目を集め、現在では米中問題に関わるほど若者に大きな影響を集めている企業となっています。

 

ジャン・イーミン(張一鳴)は1983年に中国福建省生まれ南開大学ソフトウェア工学専攻。社会人なりたて時に住宅市場データを集約するソフトウェアを開発し自身の不動産を2倍で売ることに成功。

 

その後、マイクロソフトなどで働き、不動産検索サイト「ジウジウファン」のCEOを務めた後、当時スマートフォンが急拡大する局面で、個人に向けた「パーソナライズレコメンド」の需要は確実に伸びると分析します。

 

アプリ開発に新たな希望を見出し2012年、ベンチャーキャピタルに勤める友人を口説いて、資金調達をクリアし自分の会社ByteDanceを設立しました。

 

彼の傘下のもと、ByteDanceは多様な才能を持つ60,000人以上の従業員を擁し、世界各地で事業を展開しています。

 

事業内容は、若者への絶対的な認知度を誇る、最大級のSNS・動画投稿アプリの「TikTok(ティックトック)」や世界最大級のニュースアプリの「Toutiao(トウティアオ)」「BuzzVideo」「Ulike」などを開発、「世界で最も価値のあるスタートアップ」として急成長を遂げ、設立からわずか8年でその地位に上り詰めました。

 

現在中国製品やアプリへの反感が高まる中でユーザーを失っているものの、スタートアップとしては注目に値する業績を上げています。

 

成功例を一つ紹介しましたが、未上場企業への投資は大きなリターンの可能性を秘めている反面、成功には徹底したリサーチ、戦略的判断、強い信念と例え思い通りにならなかった時の、寛大な精神力が必要です。 

 

また、企業文化の違いを乗り越え、互いの強みを活かし合うことが成功の秘策であり、特に革新的な技術やビジネスモデルを持つスタートアップや急成長企業への早期投資が、将来的に高い市場価値を生み出す機会を提供します。

 

リソースや時間がかかりますが、企業と直接的な話し合いを通じて、投資の機会を見極めることの面白さ。専門家の助言も重要です。さあ、是非、非上場株式の市場を覗いてみてはいかがでしょうか?

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